22Aug
フォーカシングは、1960年代にアメリカの心理学者ユージン・ジェンドリンによって提唱された「体の感覚を通して、体の声を聞く」心理療法です。
ジェンドリンは、クライアントに変化がおきるか起きないかは、カウンセリングのかなり早い時期に分ってしまう事に気がつきました。変化が起きない人々は、セラピストの質問に、頭で考えた答えをはきはきと答えるのに対して、変化が起きる人々は、セラピストの質問に「そうですねぇ」などとゆっくり答えていたのです。
その人々は考えるのではなく、体の感覚に意識を向けていたのでした。その事から「体の感覚を通して、体の声を聞く」フォーカシングの技法が生まれました。
心と体は深くつながっているので、何か辛い問題が起きたとき、その時に感じた感情は、体の一部に現れます。例えばストレスで胃が痛くなったり,、胸に穴があいたように寂しくなったり。その感覚は何か私たちに伝えたいことがあるので、そのような感覚を出してくれているのです。
面白い事に、その感覚を自分の分身のように扱って「どうしてそこにいてくれているの?」「私があなたのためにできることを教えて」などと話しかけてみると、だんだんと良い感覚に変化して、楽になっていきます。時には「もっと笑って」などと答えてくれることもあります。そして最後には「いつもこの感覚があると良いな」と感じるような、とても良い感覚になってくれます。
自分が何を感じているのか、本当はどう思っているのか分からなくなった時、自分の体に問いかけてみるのは、とても有効です。フォーカシングは、セラピーでもよく使うワークの一つです。「菜の花」では、ご自身でもできるよう、やり方をお教えしています。