私たちの心というのは、不思議なものですね。
やりたいと思ってもできない事があったり、やりたくないのにやってしまったり。頭では分かっているのに、そのようにできないのは、珍しい事ではありません。
どうしてこんな事が起きるのでしょう?
それは、私たちは心を2つ持っているからです。
一つは「意識」あるいは「顕在意識」と呼ばれるもので、自分でコントロールできる部分です。自分と他人の区別をつけたり、常識的な、客観的な判断をつかさどっている部分で、善悪の区別をつけられます。悩んだり、苦しんだり、不安になったり、自分を責めたりするのも、この部分です。
(顕在意識という言葉は分かりにくいので、ここでは頭(意識)と表します)
もう一つは「潜在意識」あるいは「無意識」と呼ばれるもので、自分ではコントロールできない部分です。ここは私たちが生きていくのに必要な情報が、すべて入っています。そのおかげで、寝ている時にも心臓や呼吸が止まらず、体温や免疫も正常に保たれているのです。このように、その人が安全に生き延びるために、24時間働き続けている所です。また、今までに体験したことや学んだこと、味わった感情なども、すべて保存されていると言われています。
ここは時間の感覚があいまいで、過去・現在・未来の区別をしません。自分が世界の中心であり、客観的な判断や、善悪の区別、現実と空想の区別もしていません。
頭(意識)は客観的な大人の意識、潜在意識は小さな子供の意識ともいわれます。
このように大きな違いがある2つの意識ですが、もうひとつの大きな違いがあります。それは、入っている情報の量です。
私たちはたくさんの事を考えたり感じたりできますが、潜在意識の中には、それよりずっと多くの情報が入っています。
その量は、今までは頭(意識)の10倍と言われていましたが、最近の脳科学の進歩のおかげで、100倍とも、1000倍とも言われるようになってきました。さらには1万倍、100万倍という研究者もいるそうです!
こんなにも差があるので、2つの意識が違う事をやろうとした時、圧倒的に勝つのは潜在意識の方なんです。
普段の生活では、私たちは潜在意識の事は気にしないで暮らしていますが、それは、頭で考えたことと潜在意識の考えが同じだからです。言い換えれば、私たちは毎日、ほとんど潜在意識の通りに暮らしているのです。
だから頭(意識)が違う事を考え始めると、とたんにうまく行かなくなってきます。「やりたいのにできない」「やりたくないのにできない」という状態になるわけです。
これが悩みや苦しみの、大きな原因です。その食い違いがとても大きくなって、体に現れたのが病気だと言われます。
こんなに食い違ってしまう原因は、この2つの間には「クリティカルファクター」という蓋があって、自由に交流できないようになっているからです。
催眠療法は、このクリティカルファクターの働きを弱め、頭(意識)と潜在意識がコミュニケーションできるようにする、とても安全で優れた方法です。
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